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2015年9月28日(月)
- 2015年9月28日(月) 午後8時50分12秒
ドキュメンタリーを見て
昨日、そして今日と2つのドキュメンタリーの映像に衝撃を受けました。
一つは、第2次世界大戦終戦間際のマニラ市街戦を追ったものです。
マニラ市街の市民を盾にした2万人の日本兵と十数万のアメリカ兵が戦ったマニラ市街戦。
日本の侵略戦争のことは知っていましたが、中国、韓国での話が主で、東南アジアでのことはよく知りませんでした。
映像を見ていると、現在のシリアやイラクが重なります。
破壊された町、無残に横たわる子供達や女性、老人。多くのフィリッピンの人々が日本軍とアメリカ軍との戦闘で犠牲となったという。
後に大統領となるキリノ氏の奥さんと二人の子供は日本兵に殺された。
奥さんは子供を連れて防空壕のある親戚の家に逃げようとしていた。
走って逃げる3人を日本兵が打ち、お母さんの腕の中で泣いている赤ん坊は声がしなくなるまで銃剣で刺されたという。
毎日毎日、身内の人間が日本兵の銃剣で刺される夢を見たという男性の話もあった。
破壊し尽くされた町の映像。
こころが痛む。
戦闘の後、投降した日本兵のうち200名が戦犯として囚われの生活を送った。
残虐行為を行った日本兵には死刑判決が出た。
死刑執行の署名は大統領がする。
大統領キリノ氏の葛藤が描かれていた。
最終的にはキリノ氏の特赦で、日本兵は日本に返され、家族の元に帰ることとなる。
映像は戦争のむごさを描いていた。
侵略され破壊される人々、侵略者となり殺戮する側にいた人々。どちらの側の人間の声も、その子孫達の言葉も伝えていた。
死刑囚となりながら特赦で家族と再会し今も生きる老人は、感謝しかないと話した。
戦犯といっても彼らは赤紙一枚で召集され、過酷な戦地で、神経も体も蝕まれていたであろう人々であった。
安全な本土で命令だけをしていた戦犯ではない。
キリノ氏が特赦を決意したのは、そうしなければ憎しみに囚われて前に進めない。その思いだったという。
肉親が銃剣で刺される夢を毎日のように見たといった老人は、後日、日本に行った折、戦後の焼け野原となった横浜を見て、日本人もまた戦争の犠牲者だと分かったと語った。
そして、「forgive and forget」といった。
侵略された側にとって確かに忘れなければ前に進めないものだろう。
しかし侵略した側にとっては決して忘れてはならないことなのだ。
先日の安倍総理の70年談話は、一見問題ないかのごとくに装っているけれど、この点において許されない内容になっていた。
「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」これは、もう子や孫の代、その先の子供達にこの戦争の反省は受け継がないよ、と言っているのと同じだ。ドイツのメルケル首相が「ドイツ人には、ナチス時代のことを解決する特別かつ無限の責任がある」といった姿勢と大きな違いがある。
あの映像に出てきた人たちはどのような思いで聞いたことだろう。
次に見たのが、琉球新報の報道のあり方を取材した毎日放送のドキュメンタリーだった。
百田氏が潰さなければならないといった沖縄の二つの新聞社のうちの一つだ。
映像にあるのは沖縄戦の様子。
それはまさに、マニラ市街戦と重なった。
日本軍はわざとアメリカ軍を沖縄に上陸させ、沖縄の人々を盾としたのだ。
沖縄もまた日本軍に侵略され、戦後もなお日本とアメリカに蹂躙されたままの土地だった。
番組の最後編集長の男性が、目を潤ませながら言った。
中立な報道というのは何を指して言うのか。我々は日本で唯一市街戦が行われた沖縄の報道機関として二度とあのような戦争をしてはいけないという地平に立っている。そして、その地平から真実を報道している。決して偏向しているのではない。そのようなことを声を詰まらせながら述べていた。彼もまた沖縄戦において人権を蹂躙された身内をもち、その虐げられたものの心を思ってられたのかと感じた。
こんな意見もある、また一方こんな意見もあるという書き方を中立な立場というわけではない。
明らかに史実に反し、人権を踏みにじる思想であればもう一方となる資格はない。
にもかかわらず、メディアは何を恐れているのか変なバランスを取ろうとしている。
リベラルを標榜する朝日もまた同じ。
失望!!
首相とお食事会をしている大手メディアは、あかん!!!
あの戦争を止められなかった、そして政権の側に立ち加担していったメディアの責任をもう一度思い起こし、メディアに関わる人が今の極右政権に対峙して真実を伝えて欲しいと思う。
そして、我々国民は与えられたものを鵜呑みにするのではなく真実を見抜く目を持たねばならない。
立憲主義とは何は、民主主義とは何か。
学ぶべきだと思う。
ふー。
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