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2010年5月11日(火)

  • 2010年5月11日(火) 午後3時2分14秒

長谷川等伯展

 連休が終わった7日に、京都国立博物館に長谷川等伯展を見に行った。
入館待ちの時間がネットに出ていたが、連日長い待ち時間が続いていてその人気のほどが分かる。息子が金曜日は夜8時まで開いているので夕方に行くと待ち時間が少ないというので、彼の言葉に従って夕方国立博物館に到着。ずらっと続く入館待ちの人並みにビックリ。開催の終了日が9日に迫っていたからかもしれないが、今までの情報とはちがいこの時刻になってもまだ30分待ちとなっていた。午後6時前にようやく入館でき、音声ガイドを借りて展示室に入る。たくさんの人垣でなかなか前に行けない状態。
 すばらしい屏風図等がたくさんあったが、強烈に印象づけられたのはやはり「松林図屏風」だ。この屏風は出口にあった。展覧会の最後に等伯の真骨頂はこれだと言わんばかりのすごさがあった。向かいに「月夜松林図屏風」が展示されていた。これは等伯の松林図屏風を細部にわたって模写した等伯周辺の絵師によるものらしいが、その筆遣いのちがいは絵のことは全く分からない私にも感じ取れる。
等伯の松林図屏風は深い霧の中の松林が墨の濃淡で見事に表されている。よく見るとその線は荒々しいほどに大胆であったりするのだが、奥行きのある深い霧の情景に吸い込まれるようだ。全くの飛躍だけれど、ルスツでホワイトアウトのような深い霧が、ほんの少し薄くなり回りの木々が見えてきた時のことが頭をよぎった。
 もう一つは「竹林猿猴図屏風」。2匹の猿が描かれているが墨の濃淡だけでこれほどまでに柔らかな動物の毛並みが表現できるのかと驚嘆する。それは2頭の虎を描いた屏風でも同じで、虎の毛並みの表現がすばらしい。太く、大胆な筆遣いと繊細な筆遣い。生き生きと迫力のある生命観に満ちた虎がそこにいた。
 それから、「波濤図」。この絵は日本海の岩に打ち寄せくだける荒々しい波が描かれているのだけれど、その細く繊細な線になぜか透明感を覚える。じっと見ているとザザザ、ドドドと海鳴りの音が聞こえてきそうだ。
他にもすばらしい絵がいっぱいあった。行ってよかった。良いものを見せてもらった。お兄ちゃんのおかげ(^o^) 今回は絵の好きな息子についていったのでした。
 帰るときもう7時半のなろうかというのにまだたくさんの人が入館を待って並んでいた。あの人達ちゃんと見られたのかな。

夜の国立博物館。寒かった(×_×)

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