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2021年2月3日(水)

  • 2021年2月3日(水) 午後10時33分29秒

多事奏論を読んで

朝日新聞の今日の「多事奏論」を読みました。
編集委員、高橋純子さんが先日亡くなられた作家の半藤一利さんの「昭和史 1926-1945」について書かれていました。
この昭和史20年から何を教訓として引き出すべきか、半藤さんは噛んで含めるように綴ってくれていると。
氏はその中で、日本人について

  • 大局観や複眼的な考えの不在。
  • 起こると困ることは起きないということにする意識。
  • 失敗を素直に認めずその失敗から学ばない態度。
  • 情報を軽視した「驕慢な無知」それは単なる無知ではなく、知っていながら無視して固執すること・・・
    「最大の危機において日本人は抽象的な観念論を非常に好み、具体的な理性的な方法論を全く検討しようとしないということです。自分にとって望ましい目標をまず設定し、実に上手な作文で壮大な空中楼閣を描くのが得意なんですね。物事は自分の希望するように動くと考えるのです。」
    とある。

 高橋さんは言います。その結果、あの第2次世界大戦に突入していったことと同様に、いまこのコロナ禍にあって、戦後75年余、私たちは一体何をしてきたのだろうと。

現政権のしていることは、指摘されたことが恐ろしいほど当てはまります。
本当に、暗澹たる思いです。

高橋さんはその問題点をしっかり指摘されています。

私は思うのです。
だからこそ、それを知っているはずの、メディアの責任が大きいと。
政権を選ぶのは選挙。では国民は何をもとにその政権を選ぶのか。
今の世の中には嘘情報がネットを通じて溢れています。
公共放送である視聴者から視聴料をとっているはずのNHKも視聴者を見て放送しているというより、政権を見て放送していると感じるような編集の仕方を見ます。
朝日新聞も多事奏論のようなところではまともなことを書きますが、大見出しがとても変なことが多いと思います。
例えば
「野党が反発」と言った大見出し。
これじゃ親や教師が指導しているのに反抗しているような感じになってしまいます。
せめて「野党が反論」でしょう。

曰く「悪夢の民主党政権」
何が悪夢だったのでしょう。誰に対して悪夢だったのでしょう。
そこについては何も言わず、意地悪な響きで蹴落としてしまう。
確かに今、甘い汁を吸っている方たちには悪夢のようだったのでしょう。
かつての民主党の反省すべきは、叩かれてめげず、失敗から学び、大局観や複眼的な見方に立って政策を実行していくことだったのではないかと思います。

 前の首相(安倍首相)の嘘や、ごまかし、公文書の改竄という行為が守らなくてはならない当たり前の道徳的な行為の範疇を突き抜けてしまって、どこもかしこも日本の民主主義はおかしくなってしまっています。文章の開示をしなければならないのなら、文章を残さないという最低のところまで行ってしまっているような気がします。

テレビ放送は、とても見られない気がします。
かつて、東京都知事だった舛添氏は、海外出張で数百万の支出があったことで、たたきに叩かれ都知事をやめました。毎日のようにニュースショーで。なぜそこまで叩かれたのか。もちろんそれは問題点のあることですが、叩かれまくったその裏には、東京オリンピックで儲けたい方たちがいて、縮小しようとする舛添氏が邪魔だったと言うことが大きいのではないかと私は思います。
それと比較して、なん億もの税金をわけがわからない使い方をしていた方には、何を恐れてかスルー。一瞬ニュースになってもそのうちみんな忘れるだろうみたいにスルー。
これじゃ、人々が気がつかないうちに、また、とんでも無いことになってしまいかねません。
アメリカの例で見ても、あんなに政権に批判的で自由にモノを言うメディアがあってさえも、自分に心地よいメディアの言い分のみを信じてしまう人々がいるのだと言うことを見せつけられました。
 大手メディアは、昭和の20年から何を学んだのでしょう。
同じ轍を踏んではいませんか。歯がゆい思いです。

  大きく目を開けて、自分の頭で物事を考える。
  自国のメディアだけでなく、他国のメディアの発する情報を見てみる。

 今のコロナ禍もウイルスとの戦いです。日本はこの先どうなってしまうのか不安になります。半藤一利さんの「昭和史 1926-1945」に書かれたその教訓を踏まえた対策をしてほしい。子供達が大きくなる頃に悲惨な状況にならないように、自分たちの世代さえ良ければ良いと思っているとしか思えないような政治家の良いようにはさせないように、自分の責務は選挙で信頼できる政党、政治家を選ぶことだと思う今日この頃です。

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